Regulative effects of hydrogen-rich medium on monocytic adhesion and vascular endothelial permeability. | 高濃度水素培地による 単球接着や血管内皮透過性に対する抑制効果

Zhonghua Yi Xue Za Zhi. 2013 Nov 19;93(43):3467-9.

Regulative effects of hydrogen-rich medium on monocytic adhesion and vascular endothelial permeability.

Department of Anesthesiology, Tianjin Medical University General Hospital

Abstract

OBJECTIVE:

To explore the regulative effects of hydrogen-rich medium on lipopolysaccharide (LPS)-induced monocytes adhesion to human umbilical vein endothelial cells (HUVEC) and vascular endothelial permeability in vitro.

METHODS:

Endothelial cells were seeded in 6-well plates and randomly divided into 4 groups (n = 42 each):control (A), hydrogen-rich medium (B), LPS (C) and LPS+hydrogen-rich medium (D). Cells were cultured in plain culture medium in groups A and C or in hydrogen-saturated culture medium in groups B and D.LPS 1 µg/ml was added into groups C and D.When forming a monolayer, monocytes were added into each group after 6, 12 and 24 h respectively. After a 90-minute co-culturing, adhesion status was detected by Wright-Giemsa stain.Supernatants were collected to detect the concentrations of vascular cell adhesion molecule-1 (VCAM-1) and E-selectin by enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA). The expression of VE-cadherin was measured by Western blot. Cells were stained with immunofluorescence to show the distribution of VE-cadherin after a 24-hour incubation.

RESULTS:

Compared with group A, the adhesion of monocytes to endothelial cells increased (P < 0.05) in group C, the levels of E-selectin and VCAM-1 became elevated (P < 0.05) while the expression of VE-cadherin decreased significantly (P < 0.05). Compared with group C, adhesion decreased in group D (P < 0.05), the levels of E-selectin and VCAM-1 decreased (P < 0.05) while there was an increased expression of VE-cadherin (P < 0.05). Three timepoints showed the same tendency. The results of 24 h fluorescence indicated that, compared with group A, VE-cadherin was incomplete in cell-cell connections in group C.However it was complete and well-distributed in group D versus group C.

CONCLUSION:

Hydrogen-rich medium may reduce the LPS-induced release of adhesion molecules, lessen monocytic adhesion to HUVEC and regulate the expression of VE-cadherin to protect vascular permeability.


Zhonghua Yi Xue Za Zhi. 2013 Nov 19;93(43):3467-9.

高濃度水素培地による
単球接着や血管内皮透過性に対する抑制効果

天津市医科大学総医院麻酔学

<要旨>

目的

LPS誘導により、単球がヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に接着し、血管内皮透過性が亢進しますが、高濃度水素培地によってそれらの反応が抑制されるかどうかをin vitroで調べるために本研究を行いました。

方法

内皮細胞は6ウェルプレートで播種し、ランダムに4グループ(各群42個ずつ)にわけました。
グループA:コントロール群
グループB:高濃度水素培地群
グループC:LPS処理群
グループD:LPS処理+高濃度水素培地群

グループA・Cの細胞は通常培地、そしてグループB・Dは水素濃度が飽和状態にある培地で培養しました。そしてグループC・DにはLPS1μg/mlを添加しました。そしてモノレイヤー形成の6、12、24時間後に各グループに単球を添加しました。

単球添加して培養すること90分後に、接着状態をWright-Giemsa(WG)染色により調べました。また、培養上澄み液を回収し、VCAM-1とE-セレクチンをELISA法で調べました。VE-カドヘリンの発現はウエスタンブロット法で計測しました。そして24時間培養ののち、VE-カドヘリンの影響を調べるために、細胞を免疫蛍光法で染色しました。

結果

グループAと比較してグループCでは内皮細胞への単球接着が増加していました(P<0.05)。またE-セレクチンやVCAM-1の値が上昇する(P<0.05)一方で、VE-カドヘリンが有意に減少していました(P<0.05)。

そして、グループCとDを比較したところ、水素を添加したグループDでは接着が減少していました(P<0.05)。また、E-セレクチンやVCAM-1の値が減少する(P<0.05)一方で、VE-カドヘリンが有意に増加していました(P<0.05)。また、6、12、24時間後の3回では同じ傾向がみられました。

さらに24時間後に蛍光染色をしたところ、グループAに比べ、LPSを添加したグループCでは細胞間でのVE-カドヘリンが不完全な状態なことがわかりました。しかしながら、グループCと水素を添加したグループDを比較したところ、完全な状態で分布していました。

結論

高濃度水素培地はLPS誘発性接着因子の産生を減らすとともに、HUVECへの単球接着を減らし、血管透過性を抑えるVE-カドヘリンの発現を調整する可能性があります。


<一言>

難しい単語が次から次へと出ていきますが、この研究では血管に対する水素の効果を調べています。まずは血管透過性に関して。血管から物質が漏れやすくなっている状態(血管透過性亢進)が引き起こす症状としていちばん皆さんが実感しやすいのは鼻詰まりですかね。血管透過性の亢進とは、血管から漏れた成分でまわりの組織がむくんでしまう状態です。これを水素が抑える可能性があるとしています。

また、一方の接着因子について。これは、動脈硬化や炎症と深いかかわりがあります。この研究の中でも触れられている単球とは、白血球の一種で体に害をなすものを飲み込んで退治する働きを持ちます。そしてこのパトロール中の単球をキャッチするためには接着因子が必要になります。ですから接着因子が多いと、たくさん単球が来て悪者を退治してくれるということになるのですが、単球は活性酸素など炎症も起こしてしまうことが知られていますので、その分炎症も増えてしまうのです。水素が接着分子の増加を抑えて、炎症をおこしにくくしてくれる…という話ですね。